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1 はじめに

セラミックの押出し成形において,金型内部の材料の流動状態が,成形不良や内部欠陥に大きな影響を及ぼすことが知られています。しかし,これらを解析する実用的な評価方法がなく,金型設計者の経験則や材料の水分,添加剤等の配合量の調整などで対応しているのが現状です。
そこで,金属の塑性加工の分野で有用な実験シミュレーション手法と独自の材料流動可視化システムを用いることで,成形時の材料流動を定量的に解析できることがわかりました。

2 材料流動可視化システムの概要

図1に材料流動可視化システムの概略図を示します。同システムは,2台のX線発生器とX線カメラ,押出し加工装置,回転台,機器制御装置およびパーソナルコンピュータで構成されています。
実験で使用する材料の内部には,材料流動をX線画像で可視化する際の指標(以下,トレーサ)を複数個埋込みます。押出し実験で成形時のトレーサの移動量は,左右2つのX線発生器の照射タイミングを制御して撮影されたX線画像を処理して3次元位置座標を算出することが可能となります。
材料流動可視化システムの概要

3 セラミック押出し成形における解析結果

今回,高純度アルミナを用いて,円柱形状(φ40×40mm)から外径10×10mm,肉厚1.5mmの中空角棒材に押出し成形する際の型内部における材料流動状態の解析を行いました。
押出し成形過程を撮影したトレーサのX線画像を図2に,押出し開始から96秒後のトレーサ位置と速度ベクトルの解析結果を図3に示します。これらの結果から,型内部での材料流動や流速等を把握することができました。また,成形体(中空角棒)の断面内の比較において,角部と中央部とで速度差が生じていることも確認できました。

押出成形課程のX線画像

速度ベクトルの解析結果

4 おわりに

金属材料の押出し加工において実績のある材料流動可視化システムを,セラミック中空部品の押出し成形へ適用した結果,金型内部における材料流動を定量的に解明できることを確認しました。これらの実験および解析結果から,成形用金型の最適化設計や成形不良の原因究明などに有用であることがわかりました。

(生産技術部)

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